最近、良く耳にする「フレイル」ということば。6月24日にNHK「あさイチ」でも特集されていました。
フレイルとは虚弱(加齢に伴い心身の機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態)という意味ですが、
今回は特にメディアでもよく取り上げられるようになってきた「オーラルフレイル」についてお話ししたいと思います。

オーラル(口腔)とフレイル(虚弱)を合わせた言葉で、口腔機能の衰えが全身の老化につながるという考えです。まず口腔(お口)機能をとても簡潔に表すと
１．噛む、飲み込む→お口の中で最も重要な機能です。
２．会話をする→食事同様普段何気なく行っている会話も「舌の動き」が関わります。
３．表情をつくる→お口周りの筋肉や舌の動きが活発な人は　生き生きとして豊かな表情づくりにも繋がります。
この3つとなります。

では、いったいどのよう状態を機能低下と言うのでしょうか…
初期症状として、こんなチェック項目があります。
・食事中むせたり食べこぼしがある
・噛めない・噛みにくいものが増えてくる
・滑舌が悪くなった気がする
・口が乾燥する
など加齢などに伴う、些細なお口まわりのトラブルのように思われるかもしれませんが当てはまる症状はありませんか？
年齢を重ねるにつれ、上記のような症状が出始めるとオーラルフレイルが疑われます。

ある日突然！というよりも徐々にみられる症状のため、「そう言われてみると最近…？」と、「気が付けば」という感じが多いかもしれません。
もしこのような状態が続くようであれば、お口を介して、
・栄養不足
・誤嚥性肺炎
・筋力低下
・認知症
などのリスクを高め、身体の衰えへと繋がって行くことが分かっています。

そのため、当院でも口腔機能が低下していないかどうかの検査を導入しています。15分ほどでできる簡単な検査です。

口腔機能の低下が疑われた場合は、項目に応じてどうすれば回復するかアドバイスをさせていただいたり、お家でできる簡単なトレーニングやマッサージ等をお伝えします。

オーラルフレイルは、全身の健康に大きく関わる重要な問題です。そしてどなたにも起こりうる問題ですが、早期に発見し、適切なケアやトレーニングを行うことで予防や改善が可能です。

少しでも気になる事がありましたら歯科医院がサポートできる事がたくさんありますので、是非相談してくださいね。

衛生士　櫻井