知覚過敏

知覚過敏が外部からくる強い刺激に反応して起こります。
痛みの強さには個人差があり、タイミングも人によって違います。
虫歯の痛みと区別がつきにくいため、歯科医院へ行こうか迷う方も少なくありません。
虫歯にはない知覚過敏の特徴や原因について、詳しくみていきましょう。

●鋭い痛みがあるが長くは続かない

冷たすぎる、または熱すぎるものをお口に含むと、キーンとした短く鋭い痛みを感じます。
常温のものであれば症状は現れず、食べ物の性質は関係ありません。
「チョコレートやキャラメルなど粘着性のあるものを噛んだときに痛む」「ジーンとした痛みが少しの間続く」と、知覚過敏よりも虫歯の可能性が高くなります。

 

●何もしなければ痛くない

お口に何も入れずに唇を閉じた状態の場合は、痛みを感じません。
ズキズキと脈打つような痛みがあると虫歯の可能性があります。

 

●寒い季節に痛みを感じやすい

冷たい空気が歯に触れると痛みを感じる傾向にあります。
冬の時期は口呼吸がつらく感じやすいです。

 

●デンタルフロスが引っ掛からない

歯と歯の間に虫歯ができている場合、デンタルフロスを通すと引っ掛かりが起こる場合があります。
絶対に虫歯ではないと断言できるものではありませんが、問題なく通せる場合、知覚過敏の可能性が高くなります。

 

●検査をしても問題がみられない

「虫歯だと思って歯科医院で検査をしたら知覚過敏だと診断された」というケースは少なくありません。
視診や触診、レントゲン検査を行って異常がなければ知覚過敏の可能性が高くなります。

 

●細菌が原因ではない

知覚過敏の原因は外部からの刺激であり、細菌が関与しているわけではありません。
知覚過敏の緩和や予防には、外部からの刺激を減らす工夫が必要です。

 

●痛みをすぐになくすことが難しい

知覚過敏は虫歯のように原因が部分的にあるわけではないため、治療を行っても痛みをすぐになくすことは難しいです。
痛みを一切感じない状態にするには、歯の神経を抜く必要があります。

●歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは歯に大きな負担がかかります。
特に就寝中に起こる歯ぎしりは、体重の2～5倍の力が歯にかかるため、トラブルが起こりやすい傾向にあります。

細かなヒビが入るとそのすき間から刺激が神経に届きやすくなるため、知覚過敏が発生します。
噛みこんだ状態で下顎を横にスライドさせるタイプの歯ぎしりをする場合は、噛み合わせ面が擦り減り、長期間続くと知覚過敏だけでなく歯髄（神経が存在する組織）が露出する場合もあるため注意が必要です。

 

●強いブラッシング

強い力で歯磨きを行うと、毛先の刺激によって歯の表面にあるエナメル質が徐々に薄くなってきます。
男性や忙しい方に多く、歯ブラシの持ち手をグーをするように握っている方は注意しましょう。

また、歯ブラシを購入するときに「硬め」を選ぶ方もエナメル質が擦り減るスピードは早い傾向にあります。
歯の根元が凹んでいる（えぐれている）方は、磨き圧が強い可能性があるため、優しく磨くようにしましょう。

 

●歯周病

歯周病で歯ぐきが下がると、歯根（根っこの部分）が露出します。
歯冠よりもエナメル質が薄いため外部の刺激が伝わりやすく、見えている範囲が広ければそれだけ知覚過敏のリスクがあります。

歯周病治療では歯石除去がメインですが、悪化すると処置中のしみる痛みも出やすくなるため、軽度の時点で治すことをおすすめします。

 

●ホワイトニング

ホワイトニングの薬剤がエナメル質内部に浸透することで痛みを発します。
象牙質には歯髄につながる細かな管が無数に存在し、距離が近くなればそのぶん症状は出やすくなります。

薬剤の濃度が高いオフィスホワイトニングは痛みが出やすい傾向にあるため、すでに知覚過敏がある方はホームホワイトニングを検討しましょう。

 

●クリーニング

歯石を除去した後に知覚過敏が起こる場合があります。
歯根が歯石で覆われている時間が長いと、除去したときに表面が外気に触れてそれが刺激となり痛みを引き起こします。
歯周病の場合は歯根の汚れもしっかり除去する必要があるため、痛みを感じやすいです。

 

●急な温度の変化

冷たすぎるものや熱すぎるものを急に口に含んだり、歯で感じたりすると知覚過敏が起こります。

知覚過敏は細菌が原因で引き起こされるものではないため、一切何もしなければ悪くなることはありません。
しかし、歯の表面は毎日の歯磨きや飲食物、外気といったさまざまな種類の刺激を受けており、進行を止めることは難しいといわれています。
原因がわからないまま今までどおりの生活を送っていると、悪化する可能性があるため注意しましょう。

●神経を抜く必要が出てくる

知覚過敏が酷くなると歯ブラシの毛先の刺激にも耐えられなくなり、磨き残しが増えて虫歯の発生や悪化につながります。
それを避けるには痛みを感じないように歯の神経を抜くしかありません。

神経を失った歯は栄養が行き届かなくなるため、健康な歯に比べて脆くなります。
ヒビや破折といったトラブルが起こりやすく、将来抜歯になる可能性は高いです。
丁寧なお手入れだけでなく「硬いものを噛まない」「歯ぎしりをしない」など注意して過ごしましょう。

 

●ほかの歯を虫歯にしてしまう

歯ブラシの毛先が当てられなくなって虫歯になる歯は、原因の歯だけではありません。
無意識に避けて磨くようになるため隣接する歯にも汚れが残り、その結果虫歯や歯周病が発生します。

 

●食事が億劫になる

重症化するとお口の中に食べ物や飲み物を入れることがつらくなり、食事自体を楽しめなくなります。
精神的なストレスを減らすためにも早めの治療がおすすめです。

虫歯でないのに歯がしみたり、お水がヒヤッとするという症状があれば、知覚過敏を疑います。
知覚過敏は、歯磨きなどが原因で、歯の象牙質という部分が露出することで起こる症状です。

当院では知覚過敏に対して、できる限り歯を削らず、2種類の抑制剤を使用するなど、方法を厳選して症状を軽減させていきます。
また、自宅で使用する歯磨き粉や歯ブラシなどについてもアドバイスさせていただきます。
当院の物販では、おすすめの知覚過敏用の歯磨き粉を他より低価格でご提供しております。

知覚過敏から、他の虫歯や歯や被せ物の不具合が見つかることも
あります。
「知覚過敏かな？」と思ったら、受診のチャンスです。

知覚過敏の悪化や再発を防ぐには、毎日のセルフケアが大切です。
エナメル質を傷つけないよう、使用する歯ブラシや歯磨き粉は慎重に選びましょう。
おすすめのセルフケア方法をこちらでご紹介しますので、ぜひ習慣化してください。

●ブラッシング圧に気をつける

毎日行う歯磨きだからこそ、磨く圧には十分な注意が必要です。
歯ブラシを持ったときに手元がグーになっている方は「鉛筆持ち」に変えましょう。
それだけで歯にかかる負担を減らすことができます。

 

●毛先が硬い歯ブラシを使わない

「手が動かしにくい」「握力が弱い」といった理由がない限り、毛先の硬さは「ふつう」がおすすめです。
毛先が汚れにしっかり当たっていれば問題なく除去できるため、力の強さではなく毛先の当たる位置を意識して磨きましょう。
歯ブラシを小刻みに動かすことも大切です。

 

●研磨剤が多い歯磨き粉を使わない

着色除去を目的とした歯磨き粉には、大量の研磨剤が含まれています。
粒子の大きさにもよりますが、研磨剤はエナメル質を減らしてしまう原因であるため、研磨剤の含まれていない、もしくは微粒子のものを選びましょう。

 

●ナイトガードを使用する

ナイトガードは、歯ぎしりや食いしばり用のマウスピースです。
歯科医院で製作でき、使うことで知覚過敏や顎関節症の予防にも役立ちます。
起床時に顎のだるさや痛みを感じる方は、就寝中に歯ぎしりをしている可能性が高いです。
早めにナイトガードを作って歯や顎関節を守りましょう。

 

●酸性の飲食物を控える

エナメル質は酸に弱く、頻繁に摂取すると知覚過敏のリスクが上がります。
酢の物や炭酸飲料が好きな方はその点にも注意して過ごしましょう。

 

●鼻呼吸を意識する

口呼吸より鼻呼吸のほうが知覚過敏を防げます。
虫歯・歯周病予防や風邪対策にもつながるため、現在口呼吸の方は鼻呼吸に変えることをおすすめします。